ぜったい楽しい! 「観光ラン」のススメ。

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旅の楽しみ方の一つに「観光ラン」というジャンルが存在します。文字通り「走りながら観光する」ことなんですが、その楽しさやメリットはあまり知られていません。ノウハウをまとめてみましたので興味のある方はご覧ください。

◆観光ランとは?

とくに定義があるわけではありません。しかしここでは、いわゆる「マラニック(マラソン+ピクニック)」や「ハイキング代わりのトレイルランニング」ではなく、単純に「有名観光地を走りながら観光すること」と定義します。

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◆観光ランのメリット

観光ランのメリットはさまざま。まず、現地での移動は「脚」になりますから、バス代や地下鉄代や駐車場代などの交通費が要りません。もちろん「時刻表」や「渋滞」にも縛られません。

つぎの観光ポイントに移動するごとにバスや電車が来るのを待つイライラ感とも無縁。しかも歩いて回るより格段に速いですから、時間を有効に活用できます。そしてなにより楽しい!自分の脚で移動するからこそ見えてくる景色は観光ランの醍醐味です。とにかく観光後のビールがウマい!メシがオイシイ!温泉が最高!

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◆どれぐらいの距離を走るの?

観光地の規模やコース設定、個人の走力にもよります。あらかじめ「キョリ測」などを使い、行きたい観光ポイントを結んで距離を把握しておくことが必須。グループで観光ランするときは、もっとも走力のない人に合わせてプランを組み立てる必要があります。

あくまでも「観光」ですから終始走りっぱなしというわけではありません。観光ポイントではゆったり観光しますし、適当に食事や休みも入ります。ランニングで10キロ続けて走れるという人は、20キロの設定でもじゅうぶんいけるのではないでしょうか。

◆どんなところが観光ランに適しているの?

たとえば京都のような観光地。一部を除き基本的にフラットで、市内全域にわたって神社仏閣が点在しています。主な名所をぜんぶ巡ってもたいしたことはありません。

京都駅→東山エリア→南禅寺銀閣寺→京都御所金閣寺エリア→二条城→京都駅・・・このようにぐるっと市内の要所を巡ってもたかだか25キロぐらいです(めちゃめちゃアバウトにつき注意)。大原や伏見や嵐山まで脚を伸ばすとなるとちょっと気合が要りますが、そんなときは公共交通機関でワープしましょう。

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◆荷物はどうするの?

最大の疑問だと思います。大きな荷物はホテルまたはコインロッカーに預けます。最低限の携行品、たとえば財布・着替え・タオル・カメラ・ドリンク・コスメ用品などはバックパックに入れて背負います。

ただしここで重要なのは、バックパックはランニング専用でなければならないこと。 ランニング用バックパックは体にぴったりフィットして揺れない構造になっており、長時間のランニング時でもまったくストレスを感じません。

「通勤ラン用」など廉価なものなら3千円台からありますが、できればより高機能な「トレイルランニング用」バックパックの購入をオススメします。 私が観光ランするときは容量12リットルのトレイルランニング用バックパックを使っています。

本体にはタオル、おやつ、着替え(Tシャツ1枚)、ガイド本、ハイドレーションパック(1.3リットル)を入れ、ポケット(バックパックのベルト部分についている)に財布とデジカメを入れています。

ハイドレーションパックというのは、点滴パックのような柔らかい入れ物に水やドリンクを入れておき、チューブでちゅうちゅうと飲む給水システムのことです。自販機に困らない場所での観光ランならわざわざ用意する必要はないかもしれません。

より空身(からみ)に近い軽装で観光ランしたいならランニング用ウェストポーチもおすすめです。

◆観光ランに最適な季節は?

真夏・真冬以外です。夏は単純に暑いから。冬は寒いからというより、「汗による冷え」が問題となります。観光スポットへの立ち寄りを繰り返す観光ランは、走っているときはいいんですが、止まったときに汗が急激に冷えて激しく不快です。

上級者の中には、次の観光スポットに近づくにつれて徐々にスピードを落としていき、到着したころには汗が乾いているという技を繰り出す人もいます。

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◆途中で疲れちゃったらどうしよう・・・

バスや電車やタクシーを使えばいいんです。始めから帰りは公共交通機関を利用するプランを立てて、ワンウェイのコースを設定すればより広域の観光が可能です。山を走るわけではありませんから、プランをたてずに行き当たりばったりの観光ランも面白いかもしれません。

◆より快適な観光ランのために

帰りや途中で公共交通機関に乗るとき汗が気になるという方。とくに女性に多いと思いますが、タオルの他にデオドラントシートを用意しておくとサッパリします。 ランニング用バックパックは通気性をよくするためメッシュ構造になっているタイプがほとんど。

予想外に汗をかいた場合、中のものは濡れます。タオル、着替え、ガイド本などはビニール袋やジップロックに入れておきましょう。できればですが、ケータイやデジカメは防水タイプがベター。

ちなみに私はケータイもデジカメも防水&耐衝撃モデルを使っています。 「給水はこまめに」が基本中の基本。喉が渇いてからではすでにレッドゾーン一歩手前です。給水を怠ると脱水とかいう前に、「疲れ(いわゆるバテた状態)」として現れます。

楽しく観光ランするためにも、こまめな給水をつねに心がけましょう。 そして何よりも観光ランをより楽しくするコツ、それは事前のトレーニングです。少し走っただけで疲れていては、せっかくの観光が台無し。やはり事前に最低限のトレーニングを積んでおくことが、より楽しく爽快な観光ランのためには大切だと思います。