獣としての本能を呼び覚ますトレイルラン。

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昨秋からのロードレースシーズンもいよいよ終盤。かわりに“旬”を迎えるのが、山や高原などの不整地を走る「トレイルランニング」です。通常のランニングブームと比例するように、ここ数年でトレラン人気も急上昇。今や、ネットや雑誌の世界もトレラン花盛りです。

たとえばランニングポータルの老舗「RUNNET(ランナーズ)」は、先週末より「RUNNET TRAIL」をスタート。もともとあったトレランコーナーを包含するかたちで、本格的なトレランポータルに生まれ変わりました。

書店では「トレイルラン(ランナーズ)」と「トレイルランナーノースランド出版)」という二つのトレラン専門雑誌が立て続けに登場。 これまでにも「月刊ランナーズ」「ランニングマガジン・クリール」そして「アドベンチャーマガジン」(休刊?)などでトレラン特集が組まれることはありましたが、トレラン専門の雑誌が、しかも同時に2冊刊行されるなんて今までは考えられませんでした。ブームの高まりを感じざるを得ません。

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ちなみに2冊とも購入して読んでみましたが、「トレイルランナー」の誤植の多さにはちょっと閉口・・・。しっかり推敲しているのか疑ってしまいました。内容が良いだけに残念です。

さて、トレランはロードでのランニングと異なり、身体や心肺への負荷が強いことは明らか。それなのに、山では不思議と疲れを感じないのです(後からドカッときますが)。俗にいう「ランニングハイ」とはまた別の気持ちよさが山走りにはあります。

それが何なのか、言葉で説明することはできません。 陳腐なセリフですが「自然と一体になる」感覚とでもいうのでしょうか。それはハイキングなどで山を訪れたときに感じるすがすがしさとも違います。

「山中を走る」。それはもしかして、人間の中に潜む「獣(けもの)」の本能を呼び覚ます行為なのかもしれません。日常を忘れ、獣としての自分をさらけ出すことができる。そこにトレランの気持ちよさの秘密が隠れているような気がします。

トレランにハマる人の前世はきっと、イノシシかサルかシカだったに違いありません。どうせならシカのようにしなやかな走りを目指したいと思います。今はまだイノシシですが。