トレラン中にプチ遭難して以来、「地形図」に興味を持つようになった。等高線がいっぱいひいてあるアレだ。
中でも国土地理院発行の「2万5千分1地図」がもっともポピュラー。ベテランの山屋さんやオリエンティア(オリエンテーリングの選手)は、2万5千分の1地図をチラ見するだけでアタマの中に実際の地形が浮かぶのだという。
2万5千分の1地図はエリアごとに書店の「引き出し」でバラ売りしている他、国土地理院の「ウォッちず」というサイトで自由に閲覧することができる(カシミール3D上でウォッちずのデータを利用すれば、地形図をマウスのドラッグでグリグリできるからさらに便利)。
2万5千分の1地図を「読む」ための入門書を買ってみたのだが、やはり難しい。「等高線の間隔は10m」であるという、イロハのイの字すら知らなかったわけだから当然だけど。入門書を読み進んで理解できたのは、「ピークは必ず丸く閉じている(例外あり)」こと、「尾根と沢は対である」こと、「等高線の間隔が狭いほど急斜面で、広いほど緩やか」であることぐらい。
だが、これらを知っているだけでもある程度の道迷いは防げる。かもしれない。なぜなら、「地図上では沢のはずなのに、どう考えても尾根の上を歩いてる」とか、「地図上では緩やかな地形のはずなのに、いつまでも急登が続く」なんてことがあれば、その時点で道を間違えているかルートを把握できていないということが認識できるから。
もっとも、ふだん走っているのはせいぜい標高600mの低山を含む里山なので、2万5千分の1地図うんぬんというのはちょっと大げさかもしれない。しかし、地形図と実際の地形が一致していることを初めて確認できたとき、このうえない面白さを感じた。まるで大自然が舞台のパズルを解いているような感覚。
その日はトレランもそっちのけで、地形図と目の前の地形を一致させるゲームに熱中してしまったほど。2万5千分の1地図には道迷いや遭難を防ぐという本来の目的以外に、こんな楽しい使い方もあるのだと実感。あ、これって「オリエンテーリング」の面白さに近いのかな。よくわからない。