シューズに内蔵したセンサで走行中の諸データを蓄積し、フォームなどの分析ができる「スマートシューズ」。これまで様々なメーカーが参入したにもかかわらず、いずれも話題性の割に今ひとつパッとしませんでした。
そんななか、アシックスが満を持してリリースした「EVORIDE ORPHE」は、長い歴史の中で消えていったスマートシューズたちの屍を乗り越え、市民ランナーの支持を得ることができるでしょうか。
スマートシューズの歴史は古く、34年前にさかのぼります。プーマの「RS-Computer」は1986年発売。かかと部分に搭載されたコンピュータチップにより、走行時間・距離・消費カロリーを自動的に計測してくれるもので、当時としては画期的すぎて一部マニアにしかウケなかったようです。
その後、2008年に発売されたNike+(ナイキプラス)は、Appleとのコラボが話題を呼んでそこそこヒットを飛ばしました。専用シューズに加速度センサを仕込み、iPodでデータを吸い上げる仕組みでしたが、そのコンセプトはNike+スポーツバンドGPSに引き継がれ、スマートシューズという方向性には進化しませんでした。
さらに時代が進み、adidas、アンダーアーマー、ALTRA、NWTN(ドイツのベンチャー)などがスマートシューズ市場に挑戦。いずれも今ひとつ浸透せず尻すぼみに。
アンダーアーマーは今夏に新作をリリースするなど、スマートシューズを諦めていないようです) 以上のように長い歴史を持ちながらも、今ひとつランナーに浸透しなかったスマートシューズ市場に“最後の大物”アシックスが参入。
株式会社 no new folk studioとの共同開発による「EVORIDE ORPHE」は、アシックススポーツ工学研究所が長年蓄積してきたデータと、no new folk studioの持つセンシングテクノロジーを組み合わせた先進のスマートシューズ。
ランニング中には音声によるリアルタイムフィードバック、ランニング後には動き(走り)の評価、足運びの指導、トレーニング方法の提案などのサポート機能も。
すでにクラウドファンディングで予約販売中。まだ完売には至っていませんが、これまでのスマートシューズとは一線を画す機能が満載の「EVORIDE ORPHE」だけに、市民ランナーへの浸透が期待されます。
■スマートシューズ「EVORIDE ORPHE」(ORPHE)
■アシックスのスマートシューズ EVORIDE ORPHE(Makuake)