官民問わずマラソン大会運営者の苦肉の策として、スマホのGPSアプリを利用した「オンラインマラソン」が盛況です。ただ、すでに飽きられはじめた感もあり、仮に収益化を見込むならプラスアルファの魅力創出が急務です。
オンラインマラソンは、「好きなとき」に「好きな場所」を走り、GPS連動のスマホアプリで集計した走行データで順位を競う、というのが一般的。
このうち「好きなとき」はいいとして、問題は「好きな場所」という要素。最初のうちは目新しさもあり参加するものの、いくつか参加しているうちに「近所を走っているだけ」ということに気づき飽きてしまいます。
緊急事態宣言が解除され経済を徐々に回していこうという段階に入った今、オンラインマラソンもワンステップ上げて「好きな場所」→「指定コース」に移行してはいかがでしょうか。 たとえば「古戦場をめぐるオンライン戦国マラソン」や「花の名所をめぐるオンライン花ラン」など、主催者がコースを設定。さらに、コース沿道のいくつかの店舗・施設に協賛してもらい給水・給食スポットを設ける。「謎解きゲーム」や「フォトロゲ」の要素をプラスするのもアリかもしれません。
「競走」で順位をつけると歩道を爆走するランナーが現れかねないので、あくまでも地域振興も兼ねたファンラン企画として。 チェックポイントを全部巡って「完走」を果たした参加者は、GPSアプリのマップ上の軌跡がわかる画面をスクショして送ってもらえばOK。参加賞は沿道の協賛店から募ります。派生アイデアがどんどん出てきそう。
要は、たとえ一人で走っていても「私、イベントに参加してる!」感を実感できることが重要です。 もちろんランナーの集中を避けるため、ある程度の期間を設ける(協賛店の営業時間の関係で日時は調整)ことは当面必要でしょう。
これならオンラインマラソンの「好きな場所を走る設定は飽きる」問題が解消されるうえ、地域ごとのコースを開発すれば一事業者でも全国各地で開催可能です。
ただしやっつけ仕事では参加するモチベーションがわきませんので、魅力的なコース開発、マップ作成は必須です。
さて、これをさらに拡大すれば、軒並み中止になっている大規模マラソンも、実際のコース(歩道になりますが)を走ってもらうことが可能となるのではないでしょうか。
都道府県をまたぐ旅行が可能となっているのが前提ですが、来訪者が増えれば地域の観光業の活性化にもつながります。期間を長めに取っておけばランナーが集中することもありません。
「マラソン大会中止は仕方ないけど、せめて実際のコース(歩道)を走りたい」と思っているランナーは多いはず。ランニングイベントおよびマラソン大会主催者の皆さん、オンラインマラソンの「好きな場所」設定はすでに飽きられていますよ。