市民ランナーの中で「走らない人への心配り」に注目が集まっています。これはコロナ以前の問題ともいえますが、配慮が足りないランナーについて、6年前に「歩行者の立場で皇居外周を歩いたら」という記事をアップしました。本日は当時の記事を再編集の上、公園や街なかを走る際のランナーのマナーについてまとめてみました。
皇居外周を歩行者の立場で1周ゆっくり歩いてみたところ、歩行者は私たちランナーの想像もつかないほど不愉快な思いや恐怖を感じている可能性が高いことがわかりました。
●歩行者として気になったこと ①[迫り来るハアハア]
まず気になったのが、背後から迫る「タッタッタ」というシューズの音です。恐怖とまではいいませんが、真後ろから何者かが高速で近づいてくるというのは、本能的に得も言われぬ圧力を感じてしまいます。
そに加えて「ハアッハアッ」とか「ハッハッ」とか「ン”ハッア”ァァ」とか、大きな呼吸音やわけのわからない声を発しながら至近距離を通り過ぎられるのも非常に不快でした。これが集団ならなおのこと恐怖は倍増するでしょう。
●歩行者として気になったこと ②[追い抜き際の距離]
おそらくほとんどの良識あるランナーは、歩行者を追い抜く際、ある程度の間隔をあけているつもりだと思います。しかし実際に歩行者として歩いてみると、その距離感は大きくズレていることがわかりました。 皇居外周を1周歩く間に数十人のランナーに追い抜かれましたが、いずれの人もかなり至近距離をすり抜けていく印象。
とくに危険を感じたのが、減速することなく複数の歩行者の間をジグザグにすり抜けて行くランナー。観察しているとそのようなランナーは、走りに没頭して周りが見えなくなっているようです。
ペースを乱したくない気持ちは同じランナーとして理解できますが、一般の歩行者にとっては、そんなランナーの思いや情熱などまったく関係ない話です。
●歩行者として気になったこと ③[風と汗] 自分が走っているときはまったく気にならなかったのに、歩いてみて初めてわかったことがあります。それは「風と汗」。どういうことかというと、ランナーが歩行者のすぐ脇を追い抜く際、必ず風が巻きます(スリップストリーム)。
一瞬、過ぎ去っていくランナーの体臭に包み込まれることになり、これがおっさんだったりすると余計に不愉快。若い女の子なら大歓迎・・・という話ではなく、走るスピードが速いほど巻き上がる風も強くなります。
つぎに「汗」。速いランナーに追い抜かれるときに汗の飛沫が顔について、気持ち悪いことこの上ありませんでした。ましてや汗だくランナーが大量発生する夏の公園などは、一般の歩行者や来園者にとって地獄なのかもしれません。たまに上半身ハダカで走っている人を見かけますが、迷惑なのでやめましょう。
自分が走っているときは汗だくのランナーに追い抜かれてもあまり気にならなかったのに、ほんと人間って勝手なものです。
●歩行者として気になったこと ④[まとめ]
今回、歩行者目線で皇居外周を歩いて確信したのは、ランナーは想像以上に歩行者に対してストレス、恐怖、圧迫感、不快感を与えている、ということ。ランナーの気持ちがわかる私ですら、次から次へと迫り来る高速ランナーストレスで精神的にかなり疲れました。
もちろんこれは皇居外周に限ったことではなく、名古屋でいえば名城公園や庄内緑地など人が多く集まる場所はどこも同じ。とくに歩行者を抜くときはスピードを緩めて距離を取るなど、歩行者や一般来園者に対して気を配る必要があります。
歩行者にとって、高速で走るランナー(集団)は不快感と恐怖の対象になりうることを自覚したいものです。