ハーフマラソンの日本記録を更新した新谷選手、見事な走りで東京五輪マラソン代表に王手をかけた松田選手など、盛り上がりを見せる最近のマラソン界。ただ、下世話なマスコミの報道を目にする機会も増え、うんざりしています。
うんざりする報道とは、レース結果を厚底シューズと結びつけた記事。 ワイドショーならいざしらず、大手マスコミまで厚底と選手の成績を結びつける安易な記事を垂れ流すのはいかがなものでしょうか。
以下、本来どうでもよいはずの要素を記事タイトルに踊らせる記者のはしゃぎっぷり(一例)をご覧ください。
『厚底シューズを履かない松田瑞生が大阪国際女子マラソンV』 ・・・わざわざ「厚底シューズを履かない」と付ける意味は?
『ナイキ厚底の田中華絵は日本人3位』 ・・・「ナイキ厚底の」不要。素直に称賛できませんか?
『「薄底」でも好記録』・・・「でも」ってなんだ「でも」って。
「対立構造を作り上げて煽る手法」はライターの常套手段ですが、非厚底の松田選手が優勝したことで、今後も「厚底vs非厚底」をテーマにした記事が大量に湧いてきそうで今からうんざり。
大阪国際女子マラソンのテレビ中継でも、女性アナウンサーが唐突に「(トップ集団の)選手のみなさん、今話題の厚底ではないですよね?」と的はずれな質問をして解説者を戸惑わせる場面も。厚底じゃないから何なんだ。
もちろん、厚底だろうと薄底だろうとシューズそのものに関する考察や取材記事を否定するものではなく、「レース結果と厚底を安易に結びつける」報道に嫌悪感を覚えるだけです。
『走るのは選手であってシューズじゃない。そこは勘違いしないでください』(※)という、新谷選手の言葉が全てを物語っているのではないでしょうか。(※ハーフマラソン日本記録更新時にヴェイパーフライを履いていたことを聞かれて)