ナゴヤランナーが集まる名城公園北園に隣接し、わずか各100円でロッカーとシャワーが利用できる「愛知県スポーツ会館」。残念ながら、その廃止が決定しました。
1972年に完成した愛知県スポーツ会館は、柔道場、卓球場、室内競技場、運動場などを完備した地上5階・地下1階の総合スポーツ施設です。
5年ほど前、施設の改修か廃止かで協議が重ねられ、一時は館内にランナー向け施設をオープンさせるというプランまで浮上。意見聴取のため何度か会議に呼ばれました。
そのときは無事にスポーツ会館の「存続」が決まり、ランナー向け施設も実現する・・・と思いきや、その後は計画自体が停滞。そしてついに、ランナー施設どころかスポーツ会館自体の廃止が決定してしまったのです。
廃止の理由として愛知県いわく、名城公園内に新設予定の『新体育館建設に伴って生じる名城公園北園の公園機能の縮小に対応した代替機能の確保について要請』(愛知県プレスリリース)が名古屋市からあったためとしています。
つまり・・・名城公園北園(名古屋市)の大半を新体育館(愛知県)が占めて公園機能が損なわれるから、そのかわりの場所を差し出しなさい・・・ということのようです。 もともと愛知県スポーツ会館自体が複雑な存在。土地は国有地で、それを名古屋市が借り、さらに愛知県が間借りして運営していました。
このため名古屋市の言うことには逆らえない、ましてや名城公園内に新・愛知県体育館を建てさせていただく手前、要請に従ってスポーツ会館を差し出さざるを得なかったというわけです。
とはいえ、もともと建物の老朽化問題で愛知県の中でも廃止論は根強かったため、今が撤退のタイミングとしてベターであると判断したのではないでしょうか。
さて、愛知県スポーツ会館の跡地ですが、「名城公園北園の公園機能の縮小に対応した代替機能の確保」という明確な理由があるため、公園の一部として生まれ変わることに間違いありません。
愛知県スポーツ会館の廃止は2020年3月末日。それまでは誰でも利用できますので、まだ入ったことのない方は廃止前に入館されることをおすすめします。