夏開催のマラソン大会、想定を超える高温の場合はどうなる?

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先週中頃から一足飛びに“真夏”が到来。暑熱順化とか悠長なことを言っている場合ではなくなってしまいました。北海道の佐呂間町では26日、なんと39.5℃を記録。佐呂間町といえば来月には「サロマ湖100kmウルトラマラソン」を控えているわけですが、大丈夫でしょうか。

夏の暑さでは国内トップクラスのここ名古屋でも、さすがに39℃を超えることはめったにありません。それが5月に、しかも北海道で記録されたことは各メディアが驚きを持って伝えているとおり。

「佐呂間で40℃」の報を受け、ランナーの中には真っ先に「サロマ湖100kmウルトラマラソン」を思い浮かべた方も多いでしょう。

ご存じない方のためにおさらいしておきますと、「サロマ湖100kmウルトラマラソン」は、昨日39.5℃を記録した北海道佐呂間町で来月6月30日に開催される100kmマラソンです。 制限時間は13時間と厳しめ。

ウルトラでは初の日本陸連公認コースとなるなど、事実上、国内最高峰のウルトラマラソン(100km)に位置づけられています。

そんな権威あるサロマ湖ウルトラの開催地が、まだ5月にもかかわらず39.5℃・・・。関係者は衝撃を持って受け止めているのではないでしょうか。

なぜなら、過去10年を振り返っても、レース中の最高気温が30℃を超えたことは一度もないからです。ちなみに過去10年でもっとも気温が高かったのは2014年の28.1℃。これでも十分すぎるほど高温で、完走率は55.8%に留まりました。

仮に今から1ヶ月後の大会当日、今回のように40℃近い異常な高温になってしまった場合、コース上が修羅場と化すのは想像に難くありません。

ちなみに暑い印象のある高山ウルトラの場合でも、ここ3年の最高気温は約25℃(平均約20℃)。走られた方なら実感できると思いますが、あれだけ暑くて25℃なんです。

それよりさらに15℃も高い中、しかも直射日光を浴び続けながら100km走ることを想像してみてください。(灼熱地獄のなかを走る「BADWATER」などのレースはありますが、サポートが義務付けられていたりする特殊なレースなので比較になりません)

これはもちろんサロマ湖ウルトラだけの話ではありません。夏開催のマラソン大会は、もはやこれまでの常識や想定が通用しなくなっていることを肝に銘じたほうがよさそうです。