空気感染する麻疹ウイルス。マラソン大会は要注意!?
気になる麻疹(はしか)患者の増加。『今年3月20日にはしかと診断された台湾からの旅行客を発端に沖縄県で断続的に患者が増えている』(毎日新聞)ということですが、それから1ヶ月後のいま、ここ愛知県でも感染者が相次いでいます。
麻疹(はしか、ましん)は感染力が非常に強く、厚労省によると『ウイルスの感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播』するとのこと。
感染した場合、10~12日間の潜伏期間の後、『39℃以上の高熱と発疹が出現します。肺炎、中耳炎を合併しやすく、患者1,000人に1人の割合で脳炎が発症すると言われています。死亡する割合も、先進国であっても1,000人に1人』(厚労省)に。さらには手洗い、マスクのみで予防するのは不可能とのこと。
折しも大型連休を控え、人が大量に移動することから全国への感染拡大が懸念されています。
インフルエンザと同じく、麻疹も私たちランナーにとって切実な問題です。いや、感染力が強くて症状も激烈なぶん、インフルの何十倍もタチが悪いといえるでしょう。
マラソン大会などランニングイベントに出場する以上、人混みを避けることはできません。
不特定多数の人が密集し、通常より激しく呼吸するという特異な状況。前や横を走っている選手が、本人が気づかぬうちに麻疹にかかっていたとしたら、そのウイルスたっぷりの呼気を思いきり吸ってしまうことになります。
ただ、以前麻疹を発症した人(40〜50代以上の人は子どもの頃に罹患している可能性が高い)は免疫ができているため、再び麻疹を発症することはありません。それに予防接種をしっかり2回(1歳時と小学校入学前)受けている人は、まず感染の心配はないとのことです。
こんなトピックを書いておいてなんですが、日本社会の傾向として何でもついつい過剰に反応してしまいがち。ただ怖がるのではなく、「予防するにはどうすればいいか」「感染の疑いを持ったらどうすればいいか」など、必要な情報を頭に入れてくだけでも重症化や感染拡大を防げるのではないでしょうか。
■厚生労働省「麻しんについて」
■国立感染症研究所(麻疹患者の発生状況報告あり)
■愛知県「はしかの発生について」
■名古屋市「市内における麻しん(はしか)の発生状況」