トレイルランナーも救助要請!増加する愛知の山岳遭難。
愛知県内における昨年(平成29年)の山岳遭難状況が愛知県警より発表されました。資料によると、遭難者数(救助要請があった事案)は28名。そのうち1名が死亡、12名が重軽傷を負っています(15名は無事救出)。
この結果を見て、「えっ、愛知の山で亡くなった方がいるの?」と驚かれた方は少なくないでしょう。じつは一昨年も遭難による死者が出ています。
愛知県の山といえば、およそ300〜800m程度のいわゆる「低山」がほとんど。最高峰の茶臼山でも1,416m(ちなみに茶臼山での遭難は0)。このため、これほどまでに遭難が発生しているとは想像しにくいのではないでしょうか。
遭難理由の内訳を見てみると、「道迷い」が全体の5割を占めています。標高わずか327mの物見山や、ランナーにはおなじみの猿投山でも道迷いによる救助要請がありました。中には登山道を「トレイルランニング中に転倒」して救助要請した例も。
死亡事故が起きたのは竜頭山(新城市・752m)。きのこ狩りに訪れた方が登山道から滑落した際、不幸にも頭部を強打してしまったそうです。
トレラン中に転倒した経験をお持ちの方は多いと思いますが、いま生きているのは“たまたま運が良かった”だけということを肝に銘じる必要がありそうです。
標高わずか275mの尾張富士(犬山)でも重傷者が出ています。「低山だから安全」である保証はどこにもありません。
単なる「疲労」や準備不足による「脱水」で救助要請した例も。まさかトレイルランナーを名乗る人の中にはいないと信じます。
低山でもこれだけの遭難事案が発生している現状を踏まえ、せめてjROへの入会などの対策をとっておくことは、他人にも被害を及ぼすリスクが高いトレイルランを行う人の義務ではないでしょうか。
■愛知県警「平成29年中における愛知県内での山岳遭難発生状況」