ドラマ『陸王』の影響なのか、ネット上ではランニング時の着地方法が話題になっています。かかと着地、フラット着地、ミッドフット着地、フォアフット着地・・・大方の市民ランナーは過度に意識する必要はないと思いますが、中にはドラマのセリフを真に受けて、いきなり「着地」を気にし始めたランナーもいるとかいないとか。いったい何が正しいのか、専門家に訊いてみました。
「そもそも着地というのは結果であって、まずは骨盤の前傾が重要です」と語るのは、鈴木ラニングクラブを主宰する元実業団トライアスリートの鈴木照幸さん。
「骨盤が後傾した状態で足を前に出せば踵から着地します。一方、骨盤が前傾していればほぼフラットに着地します」と鈴木コーチ。 確かに体が後傾した状態で足だけフラットに着地するなど、ちょっと考えればかなり無理な体制であることがわかります「トップクラスの選手は、とくに意識しなくても基本的に骨盤は前傾しているのでフラット着地かフォアフットになります」とも。
つまり骨盤がしっかり前傾して腰高をキープしていない限り、いくら着地だけ意識しても意味がないということ。意味がないどころか、悪影響を及ぼすこともあると鈴木コーチは警鐘を鳴らします。
いわく「骨盤が後傾しているまま無理にフラット着地すると、簡単に言えば常にブレーキをかけている状態となります。結果、ふくらはぎに強い負担がかかり、場合によっては肉離れや足底筋膜炎を引き起こす」こともあるのだとか。
最初から着地を意識するのではなく、まずは「骨盤を前傾して腰高に保ち、重心を真下に降ろす」ことを心がける。それが効率的でケガをしにくい走り方の秘訣だということです。