京都、北九州、高知龍馬、泉州、おきなわ、青梅など、日本各地で人気大会が開催された2月19日。いまだ復興途上にある熊本市各所をめぐる「熊本城マラソン2017」を実走取材してきました。
ところどころに残る震災の爪痕が生々しい熊本市街。とくに熊本城は想像以上で、無残に崩れ落ちた石垣やギリギリのところで持ちこたえたであろう本丸の姿が印象的でした。
天守は昭和時代(1960年)の再建ですが、石垣は加藤清正築城時の遺構。熊本地震の折にはその3割程度が崩落しました。逆に言えば3割程度で済んだともいえます。 城造り、とくに石垣造りに定評のあった清正の技術力の高さが証明されたのではないでしょうか。 とはいえ、城内の被害を受けた重要文化財は13棟(本丸など復元建築物の被害は20棟)、石垣の崩落は50箇所にもおよびました。
もちろん震災の被害は熊本城だけではありません。熊本地震で亡くなった方は157名(関連死含む)、被害総額は4.6兆円にも及んだといいます。 このように、いまだ復興途上にある熊本で開催された「熊本城マラソン」。
いったい熊本の町は、人たちはどのような心境でランナーを迎えてくれるのか、のんきに走っていいのか一抹の不安はありました。 しかし、熊本の方々のおもてなしは予想以上に深く、温かく、この熊本マラソンを機にもう一段前へ進んでいこうという気概すら感じました。
これは同じく、かつて震災直後に開催された「いわて銀河100kmチャレンジマラソン」でも感じたこと。感覚なのでなかなか言葉にするのは難しいですが、かんたんに言えば「日本(人)の強さを見た」というところでしょうか。
余談ですが・・・加藤清正は名古屋城の築城も手がけています。熊本城、名古屋城双方に巨大な清正像が鎮座しており、今回はその像(熊本の清正像)に会うのも楽しみの一つでした。
ちなみに3月開催のウイメンズマラソンでは、コース上から「名古屋の清正」もチラッと見えますので、熊本からお越しのランナーはぜひ熊本の清正と比べてみてください。