やっと晴れてくれた大会3日目。スタンドは子どもたちや家族連れでにぎわいました。
最終日はパラリンピック種目を皮切りに、男子3000m障害、女子800m、男子110mH、女子100mH、女子400H、男女5000m、男女200m、フィールドでは男子走高跳、男子三段跳、男女円盤投、男子砲丸投の各決勝が行われました。
ランニングジャーナル的に注目したのはなんといっても男女5000m。結果はご存知のとおりですが、10000mとはまた違った展開で大いに楽しませてくれました。
スタンドの注目は、やはり地元にゆかりのある鈴木亜由子選手と関根花観選手のふたり(両選手とも日本郵政グループ)。
10000mのようにワンツーフィニッシュの期待がかかりましたが、同種目3連覇中の尾西美咲選手(積水化学)が貫禄の優勝。(後で知りましたが尾西選手は三重県出身。地元・東海地方の選手として、オリンピックでもがんばってほしいです)
鈴木選手の「尾西さんのラストの強さが、一枚も二枚も上手でした」(日本郵政グループ女子陸上部FBページより)という言葉どおり、すばらしい勝利でした。 尾西選手がラスト200mでスパートをかけた瞬間。
その差はあっという間に広がり、とっさについていけなかった鈴木選手としてはもはや笑うしかない?!
関根選手も鈴木選手によく食らえつき、0.3秒差の3位でゴール。ワンツーとはいきませんでしたが、ツースリーで連続表彰台へ。尾西選手のいぶし銀ともいえるレース運びと絶妙なタイミングのスパートが光ったレースでした。
ちなみに最終周バックストレートに入ったあたりで鈴木選手がややペースを上げ、スパートっぽい動きを見せたものの尾西選手は難なく対応。 少し中途半端な動きだなと思った矢先に尾西選手のロケットスパート炸裂。たらればの話をしても仕方がないのですが、あのときもっと思い切り飛び出していれば、展開が変わっていたかもしれないと感じたのは私だけでしょうか。 男子5000mもまた、10000mとは異なり先頭がめまぐるしく入れ替わる展開に。
注目の大迫傑選手(Nike ORPJT)は中団待機で脚を貯め、“その時”を待ちます。
終盤、先頭集団は大迫選手、上野選手(日清食品)、大六野選手(旭化成)、一色選手(青山学院大)の4選手に絞られました。
そしてラスト1周で飛び出したのが予想どおり大迫選手。スタンドがどよめくほど見事なスパートで後続をぐんぐん引き離し、そのままゴール。
今大会10000mと合わせて2冠を達成すると同時に、リオオリンピック2種目の代表も勝ち取りました。 最終種目は男女200m決勝。
ご存知のとおり、福島千里選手(北海道ハイテクAC)が自身の記録を0.01秒縮める日本新記録(22.88)で圧勝。日本記録樹立の瞬間をこの目で見られるとはラッキーでした。
・・・さて、そもそも今回の日本選手権は長距離競技(5000m・10000m)の観戦が目的。正直いって100mなどの花形競技以外、あまり興味を持っていませんでした。 しかしこの3日間をとおして陸上競技全般のおもしろさを体感。やはり何ごとも実際に肌で感じてみないとその良さはわかりませんね。