IAAFラベルは市民ランナーにとって価値無し!?
マラソン大会の運営には多くのお金がかかるもの。「仮に参加者のエントリー料だけでまかなうとしたら現在の3倍でも足りない」・・・という話を主催者の方から聞いたことがあります。最近、値上げが相次ぐマラソン大会の参加料を見るにつけ、ふと思い出しました。
ナゴヤエリアのマラソン大会も例外ではなく、少なからぬ大会が参加料をアップ。それが「高い」か「適性」か「安い」かは、参加者自身の価値観に委ねるしかありません。
「高い」=「その金額を払って参加する価値が見出せない」と判断すれば、エントリーしなければいいだけの話。
・・・とはいえ、人間だもの。やはり今まで出場していた大会が値上げしたら、嬉しいか嬉しくないかと問われれば「嬉しくない」に決まっています。
ただ、同じ「値上げ」でも、その理由は各大会によってさまざま。たとえば「医療体制をより充実させるために、どうしても◯◯◯円の値上げが必要です」と、値上げの理由を真摯かつ明確に謳っているような大会は好感が持てます。
一方、参加者のほとんどを占める一般市民ランナーにはあまり関係がない部分にお金をかけ、そのぶんをエントリー費に上乗せする大会は、実際にあるとしたらいかがなものでしょう。
たとえば一般市民ランナーも多数参加する大会において、国際陸上競技連盟(IAAF)ロードレース規格のラベル獲得・維持のための費用が運営費を圧迫=高額なエントリー費につながっている・・・なんて可能性はあるのでしょうか。
IAAFラベル獲得・維持基準を満たそうとすれば、海外・国内のトップ選手を複数招かなければなりません。当然、タダでは来てくれないでしょうし、ゴールドラベルを狙うなら招待選手の持ちタイム・人数の基準はさらに厳しくなります。
もちろん国内外の現役トップ選手と同時に走れるのは素晴らしいことですし、テンションも上がります。これはこれで「一般市民ランナーの満足」につながっているでしょう。
しかしこうした費用を、ポンっと安易にエントリー料に上乗せする大会があるとしたら・・・。
そう考えると、エントリー料の値上げにつながりかねない「IAAFのラベル制度」って、とくに一般市民ランナーにとっていったいなんなの?と思ってしまいます。
IAAFロードレース規格でラベルを獲得しているからといって、市民ランナーの満足度の高さとイコールではないことは、賢明な読者の方ならとっくにおわかりでしょう。
実際、国内のとある大会はゴールドラベルにもかかわらず、RUNNETの大会評価が60〜70点台と呆れるほどの低評価。
ちなみに、ゴミの山や立ちション問題で世界的に醜態をさらした某国の国際マラソンも、国際陸上競技連盟お墨付きのIAAFゴールドラベルという皮肉・・・
この一事をみても、IAAFラベルはあくまでも「エリート大会にふさわしいか」を推し量るものであり、一般市民ランナーの満足度とはまったく無関係であることがわかります。
(IAAFのゴールドラベルを獲得している国内大会4つのうち、エリートオンリーの「福岡国際」と「びわ湖毎日」については、そもそも一般市民ランナーが参加しないのでラベリング制度の趣旨・理念に沿っているといえます)
さて、いつも出場していた大会が値上げしたら、まずは冷静に「値上げの理由」を吟味し、「自分の価値観を満たすに値する金額である」と納得できたら出場すればよいのではないでしょうか。大会はゴマンとあるのですから。