中間点のタイムが1時間56分。このままペースを維持すれば今回の最低目標であるサブフォーは達成できます。しかしこの時点で早くも太股の筋肉に疲労の兆しが・・・。同時に「終盤の大きなペースダウン」という不安が頭をもたげてきました。
35km以降のほとんどを歩いてしまった前回出場時の苦い経験 から、「今回もそうなるのではないか」という不安と焦りを抑えることができず、愚かにもペースを上げてしまいました。このときばかりは「夏マラソンへの畏怖」が裏目に出てしまったようです。
しかも折り返しポイントを過ぎるころから雷鳴が聞こえはじめ、カミナリ嫌いの私はこちらの恐怖からも逃れたい一心でさらにペースアップ・・・。 それにしても沿道の途切れない大声援と、ボランティアの皆さんの献身的な働きはとても励みになり、元気をいただきました。
競技性の高さといい、ランナー目線のホスピタリティといい、手厚い安全対策といい、表面上の演出ばかりに気を取られて肝心の運営はグダグダなぽっと出の都市型マラソンとは明らかに異なるスピリットを感じました。 さて、スタートからここまではおおむねくもり。比較的涼しいとはいえ、やはりマラソンを走る環境としては「高温」であることに違いありません。
“絶え間なく”と言ってもよいほど充実しているエイドごとに何度も水をかぶり、スポーツドリンクを摂りました。 33km地点あたりを走っていたとき、突然スコールのような強い雨が!まさに天の恵みともいえる天然のシャワーです。ただ、選手にとってはラッキーですが、雨に打たれながら作業するボランティアの皆さんが気の毒でした。
しかし恵みの雨も時すでに遅し。だんだん脚が前に出なくなり、35kmを過ぎるあたりでキロ6分30秒をキープするのがやっとの状態に。その後もペースダウンに歯止めがかかりませんでした。
前回は北海道大学の敷地内に入ってからの記憶がなく、気づいたらゴール前を歩いていましたが、今回は意識だけはしっかりしています。
すでにペースは7分台近くまでダウン。断続的に吐き気も催してきて、もはや残り距離数とペースの計算すらおぼつかなくなってきました。周りは歩いている人だらけ。何度も「歩きたい」という誘惑にからめとられそうになりました。
こうなったらもう心を無にして走り続けるしかありません。とにかく「歩かない」ことだけを言い聞かせてフィニッシュラインをめざしました。目の前には赤レンガの旧庁舎が見えています。ということは残り1kmぐらいのはず。
ここで前回同様またしても意識が遠のき・・・ハッと目を覚ますと、さきほどと同じく赤レンガの旧庁舎が。どうやらほんの0.0何秒だけ意識が飛んでいたようです。危ない危ない・・・。 そのままなんとか走り切り、少しだけ余裕を残して目標達成。タイム的には生涯ワースト2ですが、力を出し切った爽やかな達成感に包まれました。
その後、吐き気が強くなったため急いでホテルへ戻って爆睡。前回と同じく夏マラソンの厳しさに身体はやられてしまいましたが、その夜のビールの味は最高でした。北海道マラソン、来年もぜひ参加したいと思っています。