スポーツゼビオ「Running United」主催、ゴールドウイン(C3fit、TNF)サポートで開催された鏑木毅さんによるトレイルランニングクリニック。レポート3回目の今日は、お待ちかねの「下り」篇です。
比叡山の山頂で長い休憩をとったあと、ほどなくして「下り方」講習が始まりました。
昨日の「上り篇」と同じく、テクニカルな部分をここで紹介するのはネタばらしになってしまいますので控えます。技術的なことを知りたい方は鏑木さんの書籍を購入するか、今後行われるトレイルランニング教室にご参加ください。 さて、下り方講習は参加者のうち数人が実際に走り、それに対して鏑木さんがアドバイスするというスタイルで進行しました。
多くの市民トレイルランナーの皆さんの中には、「トレイルランは下り命!」「下りを豪快に駆け下りてこそトレラン!」と考えている方は多いのではないでしょうか。 私も以前、トレランにハマっていたときはそう考えていました。
「下りを飛ばさずしてなにがおもしろいのか」と。しかしその考えが浅はかであったことを、鏑木さんに気づかせてもらいました。 鏑木さんいわく、もちろんショートやミドルぐらいのトレイル(レース)ならそれ(豪快に下る)もありと前置きした上で、「下りはスイッチOFFの時間」と言い切っていました。
「(とくにロングトレイルの場合)下りでは一切エネルギーを使わないぐらいのイメージ」で走るとのこと。走るというより「重力に従って脚を前に出すだけ」ともおっしゃっていました。 実際に鏑木さんも走って見本を見せてくれたのですが、とにかく体に余分なチカラが入っていないことが傍目からもわかるぐらい軽〜いイメージ。
他の参加者と明らかに異なる点はこの「軽さ」。速いスピードで駆け下りる参加者を見て、鏑木さんがおっしゃった一言が印象に残りました。それは、「自分の実力以上のスピードを出すのは危険」ということ。
鏑木さんはさらに、「スピードに筋力が追いついていない」というアドバイスもされていました。自分のポテンシャルは自分にしかわかりません。とくに下りでは自分自身を過信せず、いまいちど「適正スピード」を考えてみてはいかがでしょうか。 今回の私も周りの速いペースに合わせようと実力以上のスピードで駆け下り続けてしまいました。
その結果、みるみるうちに「脚が終わった」状態になり、止まると膝が震えるまでのダメージを負ってしまいました。
「実力以上のスピード」で下ってしまった証拠に、翌日は脚よりも肩周りの筋肉がコッチコチに。これは、スピードによる恐怖から体に余計な力が入り、激しい肩凝りにつながったものと思われます。 トレランのあとで肩が凝るという方、もしかしたらスピードに実力が追いついていないのかもしれませんね。 ※vol.4<大文字山篇>につづく