第1回「神戸マラソン2011」を実走取材してきました。「神戸」という開催地自体の魅力もあいまって楽しみにしていたこの大会。その期待に違わぬ「これぞ港町神戸の都市型マラソン!」といった雰囲気の良大会でした。
とにかくコースがよかった!!スタート会場・スタート地点ともに三ノ宮駅前に広がる大通り(市役所前)。街の中心部の道路を長時間封鎖するなんてなかなかできることではありません。
これは地元住民の方々や警察などに対する粘り強い交渉と説明により理解を得た結果なのです。もしかしたら、もっと山沿いを走らされていた可能性だってあります。東京・大阪に続く快挙といえるでしょう。 ちなみに、スタート会場やコースが中心部から外れているため、街の魅力を伝えられない大会は少なくありません(都市圏でのランニング大会の場合)。
それだけに「街の中心部スタート」「都心コース」を実現した運営側のやる気を感じました。「港町神戸の素晴らしさ見てほしい!」という思いが伝わってくるようです。 沿道の応援もまた素晴らしかった!!主催者発表によると523,000名もの人々が選手に声援を送ったとか。集客が見込める芸能人の出走なしでこの数字は立派です。地元の方々による応援パフォーマンスも存分に楽しませていただきました。
海からは、集結した漁船が大漁旗をはためかせて選手を激励。これも壮観で勇気をもらいました。(下の写真ではわかりにくいですね)
一般の方が入れない道路上では一定間隔で高校生ボランティアが立って、声を枯らしながら応援してくれました。強風が吹いていたため、さぞかし寒かったろうと思います。
終盤のポートアイランドのコースも絶景でした。こんな場所が近くにあれば朝ランを続けられるかも(?)
全体的な運営も、案内・表示ともにわかりやすく、いい意味でシステマティックでストレスを感じることはありませんでした。ブロックごとに厳格な入場規制も行われており好印象。
さて、ここからは僭越ながら、来年さらにパワーアップしてほしい点をいくつか。まず、スタート会場のトイレ(とくに男子)が致命的に少ない・・・。
これほど男子トイレに長蛇の列ができる大会は初めてでした。計画外の定員増員という“ハプニング”はあったものの、トイレの増設はじゅうぶん可能だったのではないかと思います。
コースも5千人増員の影響か、選手密度がかなり高い印象を受けました。これについては物理的に道幅を広げるわけにもいきませんので致し方なしというところでしょうか。 次回は本来の定員数に戻すと思いますが、もし今回のまま23,000人でいくならコースの見直しが必要かも。
給水・給食について、フィニッシュタイム5〜6時間以降の選手に対する給水が間に合わなかったという話も聞きました。それがどの程度だったのか、自分で見たわけではないので言及は避けます。 強いてあげればこんなところでしょうか。
「神戸」という“ブランド”ゆえ、どうしても参加者の期待は大きくなるもの。細かな点はさておき、トータルではその期待に応える大会だったという印象です。 私が良大会の条件の一つに定義している「運営側の熱意が地元やボランティアに伝わり、官民一体となって盛り上がる」ことは実現できていたのではないでしょうか。
意外にランネットの評価が低くて驚きましたが、大半の方は給水トラブルを挙げていました。惜しいですね。でも、次回はしっかり改善してくれると確信しています。 明日はvol.2<レース篇>をお届けします。