走ることを「手段」で終わらせるのはもったいない!

ランニングを始めるきっかけは人それぞれ。運動不足解消のため、メタボな腹を引っ込めるため、会社や家庭でのストレス発散のため、失恋の傷心を癒すため・・・。最初はランニングそのものを楽しむのではなく、あくまでも「目的を達成するための手段」として走りはじめるケースがほとんどではないでしょうか。 DSCN3965.JPG テニスやサッカーのように、はじめからスポーツとしての魅力を感じて走り始める人は少数派だと思います。ランニングがこうした単なる「手段」の域を脱し、走ることそのものに楽しさや喜びを感じることができたらしめたもの。 ある程度の年齢になってから「ランニングを始める」こと自体、大きなチャレンジ。しかもそれが「手段から楽しみ」に“昇格”した人は、人生においてとても貴重な「財産」を手に入れたに等しいと断言できます。 なぜならランニングは健康・美容に対するメリットが大きいばかりか、メンタル面にもたらすプラス作用もまた少なくないからです。積極性、集中力の向上はもちろん、一定の速度以上で走り続けることにより前頭前野が刺激され、思考能力が向上するという研究結果が得られたという話も。 たまに、「仕事で疲れているのに走るなんてとんでもない!」という声を聞きます。しかし実際はその逆で、「走ることにより疲労(とくに心の疲労)が抜ける」のです。この感覚、ランナーならわかると思いますが、そうでない方にはなかなか理解しにくいはず・・・。 では、走ることが「手段」で終わってしまう人と、走ることそのものに楽しみを見いだせた人。その違いはどこにあるのでしょう。ターニングポイントはいったい何だったのでしょうか。 そのひとつとして考えられるのが、「おしゃれなランウェアを着てみたい」「最新のランニングギアを試してみたい」など、よりランニングに対するモチベーションが上がる「第2のきっかけ」を見いだせたときです。 この時点ではまだランニングが「手段」の域を出ていませんが、少なくとも「痩せるため」など、他の運動でも代用できることとは異なっています。 最新のランウェアやシューズで颯爽と走る。その高揚感は、オシャレなファッションに身を包んで街を歩く気持ちよさと同じです。もちろんウェアに限らず、最近ではランニングをエンターテインメントとして楽しむアイテムも数多く登場しています。 そしてもうひとつ、ランニングそのものに楽しさを見いだせるとっておきの方法。それが「マラソン大会へのエントリー」です。走りはじめたばかりの方は「レースなんてとんでもない!」と大げさに考えがちですが、初心者でも安心して楽しめる大会はたくさんあるのでだいじょうぶ。 マラソン大会にエントリーしたら必ず家庭や職場で公表しましょう。これでもう後には退けません。ランニングに対するモチベーションは否が応でも高まることでしょう。 レースデビューに向けてランニングに取り組んでいるうち、いつしか「走ることそのもの」に楽しさを感じている自分に気づくはず。大人になってから挑む初めてのマラソン大会では、「がむしゃらにがんばる自分自身」に驚くかもしれません。 そして何よりゴールしたときの達成感・爽快感は、ある意味“中毒”になってしまうほどの心地よさをもたらします・・・ こうしてランニングの魅力に取りつかれていく人を何人も見てきました。読者の中にもランニングを始めたばかりという方は多いでしょう。思い切って、いきなり半年後のフルマラソンにエントリーしてしまうのもアリです。 一方、何年も走り続けてきた人がモチベーション低下により、ランニングの世界からフェードアウトすることも少なくありません。 「それ、自分のことだ」と思われた方は、チャンスがあれば初心者の方々とランニングを共にしてみてください。きっと走りはじめたころの新鮮な気持ちがよみがえってくるはずです。