万博回顧4 ~ルーマニア館~

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ルーマニア館はお気に入り外国館のひとつだった。入館は完全入れ替え制で、1回ごとに楽器演奏やらダンスやら、数種類のプログラムをかわるがわる披露していた。行くたびに上演内容が違うので、何度入っても新鮮味があった。

 

なかでも見応えがあったのが、民族衣装に身をまとった男性4人による民族舞踏。ツエのような棒を振りながら、ナマ演奏に乗ってリズミカルなダンスを見せてくれた。しかも観客のアンコールに気軽に応えてくれるところも好感が持てた。

上の写真を撮ったときは観客が妙に盛り上がり、なんと3回もアンコールを要求。もちろん3回ともしっかり応えてくれた。しかしこれ、待っている人にとってはちょっと迷惑だったりする。

ルーマニア館は、同じぐらいの待ち列でも1時間以上待たされることもあれば、20分ぐらいで入れるときもあった。おそらく演者がアンコールに応えてしまうため、いちおう決められている上演時間をオーバーしてしまうのだろう。

だから待っている人の中には怒り出す人もいた。「上演時間20分って書いてあるのにまだ入れないのか!」と。そのたびに、おそらくルーマニア人の女性スタッフが日本式にペコペコと頭を下げていたのを思い出す。

冒頭で「完全入れ替え制」と書いたが、じつは客席に居残って次のショーを鑑賞してもOKだった。私は閉幕間際に3ステージを連続で楽しんだ。もちろんそれぞれ違う演目だ。

あのダンスはもう一度ぜひ見てみたい。シンガポール館の記事でも書いたが、やはり展示や映像だけでは伝えきれないものがある。ルーマニア館は小さなパビリオンだった。それが逆に、ステージ上の演者と観客の“距離”を縮め、アットホームな雰囲気を醸し出していた。