
いよいよ秋のマラソンシーズンに向けて、各地の大会エントリーが白熱してくる時期。そんな中、ランナーの心理につけ込む非常に悪質な迷惑メールが出回っているのをご存知でしょうか?
現在、大会エントリーサイトの「スポーツエントリー」を騙ったフィッシング詐欺メールが多くの人のもとに届いている模様です。すでにスポーツエントリーでも状況を把握しており、トップページ等で注意喚起のアナウンスが出されています。
ランナーにはおなじみの「スポーツエントリー」
そもそも「スポーツエントリー」といえば、私たちランナーにとっておなじみの大会エントリーサイト。日本最大級の「RUNNET(ランネット)」に次ぐ存在として、一度は利用したことがあるのではないでしょうか。RUNNETに掲載されていない地方のマニアックな大会が載っていることもあり、大会選びの際は必ずチェックします。
少し余談になりますが、スポーツエントリーは以前、スポーツ雑誌でおなじみの「ベースボール・マガジン社」が運営に携わっていたことでも知られています(現在は運営会社が株式会社アプロードに変わっています)。
長年にわたって日本のスポーツシーン、そして市民ランナーを支えてきた信頼あるプラットフォームです。詐欺グループは、そんな「ランナーなら誰もが知っている、登録している可能性が高いサービス」の名前を悪用したのです。
実際に届いた詐欺メールの巧妙な手口
実際に確認した詐欺メールの内容は、以下のようなものでした。

【件名】会員情報更新のお願い
平素よりご利用いただき、誠にありがとうございます。
このたび、会員サービスの向上および、より安全で快適にご利用いただくため、 会員情報管理システムのアップグレードを実施しております。それに伴い、会員の皆様へ登録情報の再確認および更新をお願いしております。
【更新特典】
・20,000円分ポイント進呈
・マラソン大会1回分の参加費無料特典
【キャンペーン期間】
2026年6月30日(火)00:00 ~ 2026年7月2日(木)23:59
(※中略)
ぜひこの機会に会員情報をご確認・更新いただき、特典をお受け取りください。
>> 会員情報を更新する <<
(※バナーのリンク先が怪しいURLになっています)
いかがでしょうか。会員情報更新のお願いと見せかけて、「20,000円分のポイント」(5,000円の場合もあるようです)や「マラソン大会1回分の参加費無料」という、ランナーなら思わず飛びついてしまいそうな魅力的なエサがぶら下げられています(20,000円だと怪しすぎるので、リアルに300円とかにしておけばよかったのに)。
最近は大会の参加費も高騰していますから、「1回無料になるなら!」と急いで更新ボタンを押してしまいそうになる心理を巧みに突いています。しかしこれは言うまでもなく、偽サイトへ誘導し、クレジットカード情報や個人情報を盗み出すための典型的なフィッシング詐欺です。
リンク先のURLは「中国のライブ配信」!?
このメールが詐欺である決定的な証拠は、「会員情報を更新する」というボタン(および最下部のスポーツエントリーの正規URL部分)に設定されたリンク先のURLにあります。
誘導先のURLは以下のようになっていました(一部伏せます)。
https://◯◯◯-◯◯◯-lanjingzhibo.com/
一見すると英語の羅列に見えますが、実はこれ、中国語のピンイン(発音表記)の組み合わせ。
lanjing(ランジン) = 中国語で「藍鯨(シロナガスクジラ)」
zhibo(ジーボー) = 中国語で「直播(ライブ配信)」
つまり、直訳すると「◯◯◯・◯◯◯・シロナガスクジラ・ライブ配信」というような意味のドメインになります。日本のスポーツ大会エントリーサイトのURLが、なぜか「中国発のライブ配信サービス」を思わせるURLになっているのです。
これは、詐欺グループが適当な安価なドメインを使い回しているか、無関係な海外サイトを乗っ取って偽ページを構築しているでしょう。
URLは一つではなく、たくさん存在する可能性があります。バナーや正規のURLに偽装するので、誘導先のURLは何でもいいのです。
詐欺の魔の手から身を守るために
これまで、Amazonやクレジットカード会社、銀行などを装った詐欺メールは日常茶飯事でしたが、ついに「ランナーの趣味・ライフスタイル」に直結するサービスまで標的になってしまいました。
「参加費無料」「高額ポイント付与」といった、あまりにもうますぎる話がメールで届いた場合は、まず疑ってかかることが大切です。もしこのようなメールが届いても、絶対にメール内のバナーやURLはクリックしないでください。 万が一気になる場合は、必ずブラウザのブックマークや、Googleなどの検索エンジンから「スポーツエントリー」の公式サイトを自分で検索して確認するようにしましょう。
ランニングに集中できる安全な環境を守るためにも、ランナーの皆さん、どうか甘い罠にはご注意を!
