かがわマラソン2026 vol.2<“初フル”レース>篇

いよいよ迎えた大会当日。第二のランナー人生における“初フル”であり、私にとっては実に4年ぶりとなるフルマラソンへの復帰戦です。期待と不安を胸に、いざスタート会場へ向かいました。

今大会のスタート時間は午前10時。一般的なマラソン大会と比べるとやや遅めの設定です。そのおかげで早起きのプレッシャーもなく、朝食をしっかりとり、慌てることなくゆとりをもって会場入りすることができました。

当日の気温は10℃前後で快晴。 マラソンを走るにはまさに「絶好」と言える気候です。もし太陽が雲に隠れていたら少し肌寒かったかもしれませんが、日差しのおかげで体感温度はちょうどいい感じに。

ウェアは「半袖Tシャツ+アームカバー+短パン」という組み合わせ。走っている最中も暑すぎず寒すぎず、結局アームカバーは最後まで外しませんでした。

前回の概要編でもお伝えした通り、選手動線はとてもスムーズ。ただ、強いて挙げるならば、更衣・荷物置き場になっている地下駐車場の入口が少し迷いました。案内表示の矢印どおり左へ進んだら袋小路になったため、もう少しサインの内容や位置を考慮したほうがいいかなと感じました。

スタート時間が遅いと朝食から時間が空いてしまうため、レース中の「ハンガーノック(エネルギー切れ)」が一番の心配事でした。そこで、持参したエネルギー補給系のゼリー飲料をスタート直前に投入。会場内にはスポーツドリンクと塩タブレットの補給コーナーも用意されており、これが本当に助かりました。もちろん、レース中の給食エイドも充実していたため、ハンガーノックは杞憂に終わりました。

スタートブロックはAからFまで分かれており、私はDブロックからのスタート。待機場所はちょうどフェリー乗り場の真横で、小豆島行きフェリーに乗っているお客さんたちが、デッキから大きく手を振ってエールを送ってくれました。

そして午前10時。スタートの号砲・・・と同時に、横に停泊していたフェリーが「ブオーーーッ!!」と大音量の汽笛を鳴らしてくれました。まるで船全体が私たちの“出航”を祝ってくれているかのよう。港町・高松ならではの情緒あふれる粋な演出に、一気に胸が高鳴りました(フェリーも10時発なので、偶然だったかも?)。

Dブロックからスタート地点の通過までは約8分。ゲストの福士加代子さんらの明るいお見送りを受け、いよいよ42.195kmの旅が始まりました。

「最初は絶対に抑え気味に」と固く心に誓っていたはずなのに、いざ走り始めるとお祭り気分が爆発。加えて、沿道をぎっしりと埋め尽くす応援の皆さんの熱気が、私の背中をグイグイと押し進めます。

とくに有名選手が走っているわけでもないのに、これほど多くの方が声援を送ってくれるなんて。感謝の気持ちとともに、ついつい想定以上のハイペース(自分なりに)で高松の美しい市街地を駆け抜けてしまいました。

9km地点あたりから郊外の直線コースへ。景色は少し単調になっていきますが、驚くことにここでも応援が途切れません。直線の往復だけで約15kmある区間なので、すれ違うトップ集団の異次元の走りを間近で見ることもでき、良い刺激になりました。

15.4km地点には、お目当ての「うどんエイド」が。 すでに行列ができていましたが、香川に来てこれをスルーする選択肢はありません。タイムロスは気にせず、しっかり並んで美味しくいただきました。体に染み渡るダシの旨さ、最高でした。

折り返しを過ぎてしばらく進み、ようやく中間地点を通過。ここで一度気持ちをリセットし、だし汁も飲んでいざ後半戦へ挑みます。

しかし、フルマラソンは甘くありません。徐々に脚が重くなり、それに加えて上半身、とくに肩と腰の疲労が明確な痛みへと変わってきました。

なんとかフォームをごまかしながら前へ進んだものの、25km地点を通過する頃には、脚のライフメーターは早くも「残り15%」の警告音を鳴らし始めていました。ペースはガクンと急降下。こうなることは想定内とはいえ、ここからは気力との勝負です。

そして、そんな疲労困憊のなか、今大会最大にして痛恨の大失態を犯してしまいます。なんと、26.2km地点の大規模うどんエイドを見逃してしまったのです。

15.4km地点のものとは異なり、こちらは多くのお店が軒を連ねるビッグエイド。もはや「参加者はこれをめざして走っている」といっても過言ではない、かがわマラソン最大にして唯一のメインイベントです。

疲労と痛みで完全に意識が飛んでいたのか、まったく気づかずにスルー。フィニッシュ後に「あれ? そういえばメインのうどんエイド行ってない!」と気づいた時の絶望感。これは次回への大きな宿題となりました。

さて、うどんエイドをスルーしたことに気づかぬまま30km地点へ到達。すでに脚のライフは完全にゼロ。それでも前に進めたのは、ひとえに沿道の絶えることのない応援のおかげです。ボロボロの体でも、不思議と「楽しい」という感情が尽きることはありませんでした。

やがて視界がひらけ、瀬戸内の美しい海が目に飛び込んできます。そしてついに、あなぶきアリーナ内に設けられたフィニッシュゲートを通過。4年ぶりのフルマラソン。全身バキバキで満身創痍でしたが、充実した42.195kmでした。

前日の受付時からレース終了後まで、地元高校生を中心としたボランティアの皆さんの献身的なサポートが本当に素晴らしかった。彼・彼女らの活躍なしに、この素晴らしい大会は成り立ちません。

選手のみなさん、お疲れさまでした。ボランティアと沿道の皆さん、ありがとうございました。