「ジョギング」の語源は“走ること”じゃなかった!?意外な由来とランニングとの違い。

毎朝の習慣や休日のリフレッシュとして親しまれている「ジョギング(Jogging)」。 今では「ゆっくり走ること」として定着していますが、この言葉が生まれた当初は、少し違ったニュアンスを持っていたことをご存知でしょうか。今回は、意外と知らない「ジョギング」の語源と、似ているようで違う「ランニング」との境界線について深掘りしてみます。


「Jogging」の意外な語源
「Jogging」の元となっている動詞「jog」の起源は、16世紀中頃の中期英語「joggen」にまで遡ります。じつはこの言葉、元々は「走る」という意味ではなく、 「揺り動かす」「(上下に)揺れる」といったものでした。英語の慣用句に "jog one's memory" (記憶を呼び起こす)という表現がありますが、これは「脳を揺らして記憶を出す」というニュアンスで、元の意味の名残です。

つまり、ジョギングの原義は「スピードを出して走る」ことではなく、「体を上下に揺らしながら動く」という動作そのものに焦点が当てられていたのです。

これが「健康のためのゆっくりした走り」として世界的に広まったのは1960〜70年代。アメリカでジョギングブームが起きた際、「競技(レース)ではなく、リラックスして走るスタイル」を指す言葉として定着しました。


「Running」の語源は“川の流れ”?
一方、「ランニング(Running)」の語源はどうでしょうか。こちらの歴史はさらに古く、古英語の「rinnan」に由来するそうです。 この言葉には「走る」という意味に加え、「(川などが)流れる」という意味が含まれていました。

Jogging: 上下に揺れる(ガタガタした動き)
Running: 流れるように進む(スムーズな動き)

語源で比較すると、その動きのイメージに違いがあることがわかります。


ジョギングとランニング、今の使い分けは?
ジョギングとランニングの違いに明確な定義はありません。「ゆっくり走るのがジョギング」といっても、「ゆっくり」がキロ4分の人もいればキロ8分の人もいるわけです。「人による」としか言いようがありません。強いて言えば以下のようになるでしょうか。

ジョギング: 健康維持、リフレッシュが目的。上下動(体の揺れ)が許容されるリラックスしたフォーム。
ランニング: 走力・持久力アップが目的。無駄な動きを削ぎ落とした、推進力のあるフォーム。


「Jogging」をあえて日本語に訳すと?
最後に、この「ジョギング」という言葉を、カタカナを使わずに日本語で表現すると何が適切でしょうか。辞書的な意味では「小走り」や「早歩き」に近いですが、それではスポーツのニュアンスが消えてしまいます。そこで、語源や目的を含めて考えてみました。

「健康走り」「整え走り」「会話走り」・・・いまいち語呂が悪いですね。やはり無理せずそのまま「ジョギング」でいいや。

さて、「揺れる」という動作を語源に持つたジョギング。 次に走りに出かけるときは「走らなきゃ!」と気負うのではなく、「ちょっと体を揺らしてこようかな」くらいの軽い気持ちで走り始めてはいかがでしょうか?そのリラックスした感覚こそが、本来の「ジョギング」なのかもしれません。