タイ・バンコクで25日に開催するはずだったマラソン大会が、当日に主催者が現れず中止に。集まったランナー1000人が途方に暮れるというニュースがネットを賑わせています。かつて日本でも同じような“事件”が起こっていたことをご存知でしょうか。
騒動の発端となった大会の名は「東京・荒川マラソン」。とあるNPO団体主催の大会で、2014年12月21日に行われる予定でした。種目はフルマラソン・10km・5km。当時は空前のマラソンブーム真っ只中。それなりに参加者を集め、着々と準備が進行していると思われていました。
ところが、大会2日前の12月19日、突然【東京荒川マラソン中止のお知らせ】(※1)なる案内をリリース。内容は『開催に向けて準備を進めて参りましたが、私共の手違いにより使用場所の使用許可を、本日時点で得られておりません。』というなんともトホホなものでした。
当時はコロナ前で、マラソン大会が中止になるのは余程のこと。ましてや大会2日前に急遽中止となったことでいらぬ憶測を呼び、大手マスコミが取り上げ全国ネットの話題に発展、炎上してしまいました。
騒動はエントリー窓口にすぎなかったランネット(アールビーズ)に飛び火。ついには主催者を飛び越え、アールビーズが参加料の返還に応じる(※2)と発表したことで徐々に話題も下火となっていきました。
主催者は25日に【一連の騒動につきまして】(※3)という謝罪文をリリース。中止の理由を当初は「会場の使用許可を得ていなかった」としていましたが、実は資金繰りに失敗したことが原因であると明かしました。
それが以下の文章(抜粋)。
『開催にあたり、設営業者や計測業者、物資等、予算計画を進めてはおりましたが、予定しておりました支払い時期がこれまでの経験上の後日支払いを想定しておりましたものが、事前の支払という事になり、支払いが出来ず、資金不足に陥りました。
何とか資金を調達しようと奔走致しましたが、徒に時間を過ごしてしまい、中止の決定の判断にも踏み切れず、直前の中止の発表となってしまいました。
当日は、動揺もあり資金繰りの為の中止と言い出せず、咄嗟の言い訳に終始してしまい、改めて思い返すまでもなく恥ずべき行為であり、心よりお詫び申し上げます。』
全国ニュースにまで発展し、日本のマラソン史に刻まれることとなった「東京・荒川マラソン中止騒動」。冒頭のタイのニュースに触れ、(経過は少し異なるものの)「そういえば日本でも同じようなことがあったな」と思い出した次第です。
念のため触れておくと、「東京・荒川マラソン」は「東京・荒川市民マラソン (現・板橋Cityマラソン)」とはまったく別物です。
ちなみに“本家”「東京・荒川市民マラソン(現・板橋Cityマラソン)」といえば、強風で会場のテントが吹き飛ばされて当日朝5時に急遽中止が決まるという珍事もありました。
当時(2010年)、私も参加予定で東京のホテルに滞在していました。会場に出かけようとしたところで中止が決まり、ヤケクソで東京を42キロ走り回ったのはいい思い出です↓
※1【東京荒川マラソン中止のお知らせ】(ウェイバックマシン)
※2「東京・荒川マラソン」開催中止に伴うお客様へのお知らせ(RUNNET)
※3【一連の騒動につきまして】(ウェイバックマシン)
■当時の関連トピック