夏は熱中症のほかランナーが注意しなければならないことが盛りだくさん。とりわけ落雷は、屋外を走るランナーにとって大きな脅威。街なかならまだしも、それがもし逃げ場のない山の中だったら・・・。そこで今回は、ランナーが落雷の被害から身を守る方法を調べてみました。
もっとも確実なのは、雷が発生しそうな予報や空模様の場合は外出しないこと。しかしランニング途中で天気が急変することもあるでしょう。
そこでまず注目したいのが「音」。雷はその音(雷鳴)によって存在を察知することができます。いわゆる遠雷は「今のうちに避難しなさい」という天からの警告であるといえます。
日本大気電気学会(引用元は気象庁より)によると、雷は、雷雲の位置次第で、海面、平野、山岳などところを選ばず落ちるもの。つまり屋外にいる限り雷被害に遭う可能性は誰にでもあるのです。
とくにグラウンドやゴルフ場、屋外プール、堤防や砂浜、海上などの開けた場所や、山頂や尾根などの高いところなどでは、人に落雷しやすくなるため、たとえば山を走っている場合、まずは山頂や尾根を離れる必要があります(道外れ、滑落注意)。
ちなみに、テントに避難しても意味はありません。日本大気電気学会は、テント内の落雷リスクは「屋外と同様」としています。
一方、街なかを走っている場合はけっして無理に急いで帰ろうとせず、速やかに最寄りの建物内に避難するべき。鉄筋コンクリート建築、自動車(オープンカーは不可)、バス、列車の内部は比較的安全な空間です。
近くに避難する建物が見当たらない緊急の場合は、電柱、煙突、鉄塔、建築物などの高い物体のてっぺんを45度以上の角度で見上げ、4m以上離れた範囲(保護範囲)に避難してください。
なお、雷雲が遠ざかって雷鳴が聞こえなくなっても、20分くらいはまだその雷雲から落雷の危険があるそうなので、雷鳴が止んだからといって油断は禁物。可能であればスマホの気象アプリや雷ナウキャストなどで雷曇の行方を追ってください。
雷鳴が微かでも聞こえたら、あなたはすでに落雷を受ける危険ゾーンにいると心得ましょう。あなたがすべきことはただ一つ、避難場所を探して移動することのみ。
楽しいランニングの最中でも、勇気をもって中断すべき。実際、ジョギング中のランナーが落雷で死亡する事故も起きています。もっとも怖いのは「雷ぐらいで何をおおげさな」という油断・慢心なのかもしれません。