何か調べたいことがあるとき、最近はYouTubeを見ることが多くなりました。動画なら一目瞭然で手っ取り早いですから。こうしたHow to的な使い方の他、YouTubeでありがたいのは「見たかったあのシーンが見られる」こと。例を上げるとすれば・・・
小学生〜高校生の頃、新日本プロレスを中継する「ワールドプロレスリング」を欠かさず見ていました。ドリフの「8時だョ!全員集合」と双璧をなす、当時の自分にとって最高の楽しみでした。
猪木によるタイガージェットシンの腕折り、佐山タイガーとブリティッシュ・ブルドッグス(ダイナマイト・キッド、デイビーボーイ・スミス)の抗争、ドラゴン藤浪の凱旋帰国、前田日明の坂口顔面マジ蹴り事件、長州が弱かった頃の白パンツなどなど・・・数え上げたらきりがないほど、数十年経った今でも数々のシーンが脳裏に蘇ります。
中でも、長年にわたり「どうしてももう一度見たい」シーンがありました。それは、バッドニュース・アレンがものすごい勢いでリングインした際、そのあまりの迫力に恐怖をおぼえた花束のお嬢さんがリング下へ見事なトペ・スイシーダを敢行したシーン。
プロレスを知らない人はいったい何を言っているかさっぱり意味不明かと思いますが、当時は「これはマジなやつだ!」と強い衝撃を受けたのを憶えています。きれいな放物線を描いてトップロープから落下していく花束のお嬢さん。そして、一瞬「あ、やばい」と真顔になるアレン。
頭の中ではしっかり蘇る衝撃のシーンですが、いくら「もう一回見たい」と願っても見ることはかないませんでした。現在のようにYouTubeやSNSなどありませんので、映像を探すことすら不可能だったからです。
そして時は流れてウン十年、YouTubeの登場です。「バッドニュース・アレン 花束のお嬢さん トペ」で検索すると、なんとあっさり出てきました!数十年待ち望んだ映像、まずはご覧ください。
いかがでしたでしょうか。もう一度解説しますと、バッドニュース・アレンが猛牛ばりにリングに突入した際、恐れおののいた花束嬢が次々と逃げるようにリングを下ります。ところが白いワンピースを着たお嬢さんだけが逃げ遅れ、何を思ったのか教科書どおりの美しいトペ・スイシーダを披露してくれたのです。
これこれこれ!これが見たかった!私の記憶違いで、トップロープではなくセカンドロープの下からでしたね。花束嬢がトペを敢行したあと、さりげなく駆け寄り心配そうにリング下を覗き込む心優しいアレンの姿も見られて感動。
ちなみにこのバッドニュース・アレン(本名アレン・ジェイムズ・コージ)、プロレスではヒールを演じていましたが、実はオリンピック柔道重量級の銅メダリスト。新日本プロレスでレスラーデビューを果たし、本国のWWFでも活躍。晩年はスポーツ解説者などをこなしていましたが、2007年に63歳で亡くなりました。合掌。
TV映像をYouTubeで流していいのかという問題はさておき、決して見ることができないはずだった映像をいとも簡単に見られるなんともいい時代。つくづく生きててよかたっと思うわけです。