来年2021年の干支は丑(うし)ですね。しかし頭の中は今、再来年の干支である寅(とら)のことでいっぱいなんです。なぜなら・・・
毎年、とある印刷会社の年賀状(スーパーなどで売っている既製年賀状)制作をお手伝いしています。この年賀状商戦、じつは1年半ぐらい前から始まります。
早い人では夏ごろから、作家さんたちが次の次の年の干支をせっせと描き始めます。そして11月〜翌3月ごろまで年賀状デザイン制作が進行。おもな流れとしては、作家さんの作品をメインに、デザイナーが背景や賀詞を足してデザインしていく感じです。
そして例年5〜6月ごろに年賀状業界の商談会が開催され、ここで2年後に流通する年賀状の大半が決定します。
ということで、今の時期はちょうど翌々年の年賀状づくりの繁忙期。来年の干支のウシより、再来年の干支であるトラのことで頭がいっぱいなのです。
来年は確かにウシ年なのですが、私の中でウシはすでに1年前に終了している感覚。「来年の干支はウシ」といわれても、一瞬混乱してしまうのです。
さて、十二支の中でもトラやウシは描きやすい題材ですが、もっとも作家さん泣かせなのがヘビ(巳年)です。リアルに描けば気持ち悪いし、動きや表情もつけにくい・・・。12年に1回やってくる作家さん泣かせの干支といえます。
新型コロナ禍で帰省できず旧友にも会えないため、「せめて年賀状ぐらいは」と、年賀状が復権の兆しを見せているのだとか。それでも相対的には減少傾向は変わらず。
「年賀状終了宣言」があたかも進歩的な行いのような風潮ですが、単に面倒くさいだけのくせに言い訳がましく「宣言」せず、静かにフェードアウトしていけばよろしい。