犬山ハーフ順位訂正の陰に見たスポーツマンシップ。

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2月22日に行われた第31回「読売犬山ハーフマラソン」。その公認ハーフの部で、本来3位の選手が審判員の“誤認”(?)により4位になってしまうという事態が発生していました。

読者の方に教えていただいたんですが、この方によると3位でゴールしたはずの選手がなぜか「4位(同タイム)」と発表されていたのだとか。

1週間後に放送されたTV映像で確認したところ、明らかにこの選手は先着してフィニッシュしていたそうです(放送の模様を録画していましたが、見た後すぐに消去してしまったため私自身は確認できず)。

レース直後、この選手が所属するトヨタ紡織陸上部は、結果発表前に大会主催者へ抗議したそうです。そのときは「順位に変更無し」という回答だったとのこと。

トヨタ紡織側はそれ以上の抗議をやめ、決定を受け入れたそうです。陸上部サイト上のレース報告(レース当日付)にも、順位への疑問などついては一切触れられていませんでした。

事態が変わったのはレース1週間後のTV放送(中京テレビ)後のこと。トヨタ紡織陸上部サイトの【ご報告】によると、『大会のテレビ放映をご覧になった多くの皆様より、「総合結果ではトヨタ紡織の鷲見選手が4位になっていますが、テレビを見る限りでは鷲見選手は明らかに3位だと思います。大会主催者側に抗議はしないのでしょうか」という内容のメッセージ』が多数届いていたそうです。

この「【ご報告】犬山ハーフマラソンの結果について」が掲載されたのは3月9日。この時点ではじめてレース直後に抗議したこと、そして『これ以上、大会主催者側に抗議をする予定』はない、という旨の考えが表明されました。

選手本人は次の目標に向かって気持ちを切り替えている旨も付け加えられており、これでこの件に関しては終了・・・と思ったら! 昨日(12日)になってようやく愛知陸上競技協会から正式に順位の訂正が発表されました(日刊スポーツ)。

このレースでは1位の選手がフィニッシュ直前に間違ったコースへ誘導されかけるなど、ちょっとドタバタした感がなきにしもあらずでした。しかし、人間がやることですから間違いはつきもの。ですから安易に愛知陸協を責める気もありません。

惜しむらくは、結果発表前に抗議しているにもかかわらず、順位変更に応じなかったこと。VTRをチェックさえすれば済んでいた話なのに・・・。まあ、何はともあれ正式に訂正されたのは良かったと思います。

もちろん、逆に「もっと強く抗議すべきだったのでは?」という意見もあるかもしれません。それはそれで正しいと思います。しかし、当初の決定を潔く受け入れた選手と所属陸上部の態度には爽やかなスポーツマンシップを感じました。